移り変わりの激しい大阪HIPHOPシーンに於いて、確固たるスタンスで一年以上
もの長期間継続して開催、AZUREでもすっかりお馴染みとなった感のある隔月
レギュラーイベント『liberalism』に潜入。
今回は大入りを記録した前回5月(G
W期間開催)に続いての7月版レポー
ト。
まず店内に入ると、DJ "HAMA-P"が
女性らしい繊細なPLAYでオーディエ
ンスのテンションを程良く暖めてく
れた、そしてその後を受けたDJ "SA-
KURA"は新旧織り交ぜた巧みな選曲
で会場をロック。一部ショウ前の難
しい時間を難なくこなした選曲セン
スは特筆もの。客足も上々の中、すっかり日付も変わり、一部ダンスショウケ
ースがスタート。
まずはGIRL'S HIPHOPチーム"くんぴ☆"が盛大な歓声に迎えられ登場、ホーム
グラウンドの声援に甘んじない、堅実に練り込まれたルーティンとステージン
グの巧さが目を引いた、続いて"ORGANIC FOOT"が登場、余裕さえ感じさせる
落ち着いたたたずまいで、ジャンルレスでありながらも、全体で見ると一貫し
た"黒さ"を感じさせるビートを軽やかに舞う姿は土臭く、プリミティブな魅力
に溢れていた。
そしてHOUSE DANCER"2step garage"の登場、こちらは初っ端から全開のダ
ンサブルな音選びで観衆を圧倒、そのリズム感の良さと身体能力の高さは躍動
感に満ち溢れ、最近のクラブイベントへの露出度の高さもうなずける、完成度
の高いルーティンを披露した。上記三組のスキルフルなダンスショウに続いて
は一部ライブショウケース、まずはAZURE『OLD TO THE NEW』等でもすっか
りお馴染みの1MC"SHOW-DA-PETE"がマイクを握る、日本語ラッパーとしては
正統派に属するであろう彼の、正確でいて力強いラップがフロアを揺らす。個
人的にはライミングの巧さが記憶に残る。
そして一部ショウのトリを飾ってくれたのはビートボクサー"bluno"だ、緩急
自在の高い技術に率直な感嘆の声を上げるオーディエンス達、ヒップホップへ
の愛情溢れる、ミドルスクールクラシックのヒューマンビートによる再現で会
場の熱気は急上昇の模様。
その熱気が続く中、登場したレジデンツDJの一人、DJ "URATA"は90's HIPH-
OP中心のスピンで会場に満ちた心地よいVIBESを持続する。
そして会場入り口まで人で溢れかえる中、満を持して二部ショウケースがスタ
ート。
まずは本日のMCメインアクト、"HI-KING"が颯爽と現れる。
日本語ラップ通ならば知らぬ者は無いであろう実力派1MC&1DJ、派手な演出
や客演は皆無、しかし彼等にそんなギミックが不要な事は、MCタカセがマイ
クを握った後、僅か数小節キックした10秒後には証明されたはずだ。
真摯に鍛錬した者だけが得られるであろう、凄まじいまでのラップ・スキルを
満員の観衆に見せつけ、瞬く間にタイトなショウが終了。
息つく間も無く、HOST MC "BAN-
GCHO BOOGIE"の紹介にいざなわ
れ、この日文字通りの紅一点、Vi-
Vify→OUTSETの一員としても、関
西で精力的に活動中の"EMI"による
ソロ・ダンスパフォーマンス、ソロ
で魅せるには相当の技術を要するで
あろう、ノリ重視では誤摩化す事の
出来ない流麗なR&Bトラックの上で、
しなやかに舞う姿は繊細でいて力強
い、確かな技術に裏付けられた優雅なパフォーマンスに多くの観衆は魅了され
たはずだ、ソロの醍醐味を味わった後には集団ルーティンの醍醐味、"ABSOL-
UTE TERROR FIELD"の面々が弾けるようにフロアを席巻する。クラブダンサー
としての遊び方を心得た彼等らしく、オープンマインドな姿勢が新旧分け隔て
の無い選曲からも垣間見え、イベントのコンセプトに沿った素晴らしいパフォ
ーマンスであったように思う、彼等が踊っている時の、観衆の楽しそうな笑顔
が印象的だった。
続いて登場したのはフィメールHIPHOP DANCER三人組、"LUOS"、バウンス
ビートに真っ向勝負でキレ味充分のエモーショナルなダンスを披露、三人の美
意識が統一されたであろう"黒"が基調の衣装も粋に着こなし、エンターテイメ
ント性に富んだ"静"と"動"併せ持った緻密なルーティンとあわせて、本イベン
トに対する彼女らのモチベーションの高さを表していたように感じた、そして
いよいよこの日の大トリ"RAW-DELUXE"の登場、一際盛大な歓声が彼等の人気
を物語っていた、とにかく変化球無し、ド真ん中直球勝負といった趣の熱いパ
フォーマンス、HIP HOP黄金期、GOLDEN ERAの名曲群を贅沢に盛り込んだ展
開と躍動感溢れる彼等のパフォーマンスに熱くならなかったクラバーは 誰一人
としていなかったと信じたい、選曲も素晴らしく、チーム名になぞらえてBIG
DADDY KANE"RAW"を効果的に使用、JAZZY JEFF&FRESH PRINCE"SUMMER
TIME"をラストに配置して季節さえも味方につけたあたりは流石の一言、スキ
ルは勿論、そういった細かい配慮も若手ダンサーには格好の見本となったはず
だ、続いてはダンサーから圧倒的な支持を得ているDJ "MAR"のCLUB PLAY、
ショウの余韻を楽しむかのように心地よく揺れ続けるフロアを、持ち前の高い
技術と状況に応じた絶妙の選曲でしっかりROCK、CLOSEのDJ MALUまで安定
したターンテーブル捌きで危なげなくバトンを渡す、締めを務めたDJ "MALU"
は当日MIX CDも無料配布、意識の高さを感じさせつつ、甘い選曲で朝方のフロ
アを間断無く揺らせ続け、イベントは大団円を迎えた。
結果的には前回並みにかなりの盛況に終わった今回の『liberalism』、DANCE
STUDIO LAB 3 PRESENTSという事もあり、ダンサーによるダンサーのための
イベントだと誤解される向きも多いだろうが、厳選されたDJやMCも 一体にな
ってのVIBESは昨今、他のイベントではなかなか味わえない魅力があるように
思える、ダンサーは勿論、未体験のクラバーは是非一度、体感してみる価値が
あるはずだ、この日のメインMCは明け方語った「ダンサーが多くてやりにく
い?そんなの全然関係ねえ、みんなB-BOYでしょ?オレはその辺歩いてるオバ
ちゃんでもラップでロックしてみせますよ」この言葉はDANCE・MC・DJの垣
根を取り払ったイベントを志す本イベント・オーガナイザーの気持ちを代弁し
てくれているような気がしてならなかった。
次回は9月に開催予定、二周年も、そう遠くない...

TEXT TAKESHI
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